中長期で脱原発と言いながら再稼働やる気満々っておかしいだろ
首相 反原発グループと会談 NHK 8月22日
野田総理大臣は、原発に反対する抗議活動を続けている市民グループのメンバーらと総理大臣官邸で会談し、原発の運転再開について、来月、発足させたいとしている原子力規制委員会が厳格に安全性を確認して判断していくとして理解を求めましたが、市民グループ側は、承服できないとして、会談は平行線で終わりました。
菅前総理・市民団体ほかとの面会-平成24年8月22日(動画へのリンク)
首都圏反原発連合ホームページ
会談は予想通り、野田首相「将来ゼロにするつもりだから、これからの再稼働には目をつぶって許してね。てへぺろ」、反原発団体「何言ってるんだ。今すぐゼロだ。ぷんぷん」と平行線で終わったようだ。
首相は将来脱原発をすると言っているが、「30年代前半、原発ゼロ」なんて計画はあってないようなものだ。社会情勢が変わったことを理由に計画を撤回することは目に見えている。単なる空約束に過ぎない。
野田首相は単純に「国民生活への影響などを総合的に判断したら原発は再稼働するしかないっしょ」と考えているのだろうが、その程度の覚悟で中長期の脱原発を口にしてほしくない。
脱原発派が主張する原発の問題点(絶対的な安全はない/原発災害の過酷さ/使用済み燃料問題)を問題点として認識して即時脱原発を真剣に検討すれば、エネルギー安全保障や電気料金の上昇、税金の投入、原発労働者の雇用への配慮など考えなければならないことは山ほどある。
そりゃ今まで通り原発を動かした方が首相にとっては悩まなくてすむから楽だろう。だからといってフクシマの事故がまるでなかったかのように全ての原発の再稼働をしようとするのはあんまりだ。
一方で首相は、自分に責任が及ばないことをいいことに無責任に将来の原発ゼロ方針だけは決定しようとしている。政府の原発ゼロ方針は自然エネルギー技術の飛躍的な発達を前提にした非現実的な方針である。エネルギー安全保障上、原発を完全になくしていいかどうかは本当に悩ましいところだが、そうしたことを真剣に考えた形跡はない。(私は極力原発をなくすべきだと思っているが、エネルギー安全保障上、最低限の原発は将来的にも必要だと考えている。自衛隊と同じで原発は必要悪である。)
「30年代前半、原発ゼロ」を軽々しくにおわせながら、一方では再稼働やむなしとする判断はなんとも解せないものがある。
結局、野田首相は事勿れ主義者なのだろう。
テーマ : 「原発」は本当に必要なのか
ジャンル : 政治・経済